原文はこちらです。
データは、私生活、仕事の両面で非常に重要なものです。データなしでは、何もできません。スプレッドシート、電子メール、文書、連絡先、データベース、ファイル、フォルダーといろいろあります。理想的には、ローカルにあるデータは、すべて外付けハード ドライブまたはクラウド ストレージにバックアップすべきです。
しかし、常に理想的にはできません。
データを復元しなければならないときが出てきます。悲劇が起きたときのために、データを取り戻すツールに関する知識を持っておきましょう。データ復元のために使用できるツールは、たくさんあります。ここで、いくつか紹介します。
もちろん、データ復元しようとしても、完全に戻せるわけではありません。いくつか、ツールを使ってみても、取り戻せないことがあるでしょう。デジタル世界の常です。ですから、基本として、システムが使えなくなったときのために最新のバックアップを用意しておきましょう。
SystemRescueCD
最初に、ダウンしたシステム (ファイル システム、パーティションに問題が生じた) からデータを復元するためのツールを紹介しましょう。すべての機能を含んだツールなので、使いやすいものです。私のお勧めは、SystemRescueCD です。この救急用CDは、現在あるパーティション形式の殆どをサポートしており、データ復元のためのツール (sfdisk, Gparted,TestDisk,PhotoRec,FSArchiver など) とその他の有益なツールを含んでいます。
他の救急用ディスクと同様、SystemRescueCD は、CD もしくは USB ドライブからブートさせて、ファイル システム関係のツールを使えるようになります。他の救急用ツールと違い、SystemRescueCD は完全なグラフィック環境を提供しています。

あるマシンから他のマシンにデータを復元する時は、システムにハード ドライブを外付けして、復元したデータを移動できるようにします (もしくは、同梱されている Samba を使用して、ネットワーク越しにコピーします)。パーティション テーブルの復元や修復をする時は、重要なデータは事前にコピーしておくことを推奨します。パーティション テーブルをさらに壊してしまうような場合に備えておきます。
SystemRescueCD と同様な目的、形式の救急用システムがあります。それぞれに長所、短所がありますが、いずれもうまく使えます。Linux データ・システム用のデータ復元用ディストリビューションのお勧めは、以下のものです。
個別の復元用ツール
復元用ディストリビューションを立ち上げたら、データ復元のために、個別の目的用のツールを使います。Linux には、個別目的のためのツールがあります。いくつか、紹介しましょう。
Ddrescue
ファイル単位もしくはブロック デバイスからコピーしたい時は、Ddrescue がよいでしょう。Ddrescue を使う前に、以下の点に注意してください。
- 読み書き用にマウントされたドライブ、パーティションに使用してはならない。
- I/O エラーがあるファイル システムの修復はしない。
- 書き込み先のデータは破壊される。つまり、書き込み先には、重要なデータがないようにする。
このツールは、壊れたドライブから外付けドライブにデータを復元するための良いツールです。まず、動いているシステムにインストールします。壊れたドライブとデータ復元用のドライブ (たとえば USB) を装着し、本ツールを使って必要なデータを取り出します。
Ubuntu では、以下のようにインストールします。
sudo apt-get install gddrescue
Ddrescue のコマンドは、次のようになっています。
ddrescue [options] infile outfile [logfile]
ddrescue を使って、/dev/sdg 上のパーティションを /dev/sdb 上にコピーしましょう。以下のようにします。
sudo ddrescue /dev/sdg /dev/sdb
上記のコマンドで、壊れたパーティションの内容すべてをコピーします。これでデータ復元ができました。
Testdisk
このツールは、データのコピーはしません。パーティションレベルで、問題を修正するもので、データ復元、参照はできません。以下のことができます。
- パーティションの復元
- ディスクをブート可能にする
- パーティション テーブルの修正
- マスター ブート レコードのリストア
- ブート セクターのリストア
- ファイル システム テーブルのリストア
- NTFS, FAT, exFAT, ext2/3/4 ファイル システムの削除済みファイルの復元
- 削除済み NTFS, FAT, exFAT, ext2/3/4 ファイル システムからのファイル コピー
Testdisk は、ターミナル内で動く ncurses ベーツのツールです (図 2)。

以下のようにして、Testdiskをインストールします。
sudo apt-get install testdisk
sudo testdisk で実行します。外付けドライブを調べるための使い易いウィザードが提供されています。
Photorec
ファイル、写真、ビデオ等を復元したい時は、Photorec がよいでしょう。このツールは Testdisk に同梱されているので、Testdisk をインストールすると使えるようになっています。このツールは、ファイル システムを無視してデータだけを調べます。つまり、ファイル システムが損傷を受けていても、データを復元できる可能性があるのです。
以下のようにして、実行します。
sudo photorec
Photorec のインタフェースは、Testdisk のそれと似ています。実行中、復元したファイルが表示されます (図 3)。

書き込み先のドライブが、必要な容量あることを確認しておきます (内蔵でも、外付けのどちらにもコピー可能です)。
Linux システム上のデータ復元用のツールはたくさんあります。この文献では、一体型ディストリビューションから、個別のツールまでいくつかを紹介しました。他にも、データ復元用のツールはたくさんあります。
このようなツールについて、もっと知りたいときは、Linux.com の System Management Forum を参照してください。そこでは、データ復元について、もっとたくさんの情報が得られるでしょう。