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30 人の Linux カーネル開発者

30人のLinuxカーネル開発者:Alan Cox

30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 8 弾は Alan Cox です。彼が Linux に関わることになった経緯や、なぜ今でもこの仕事が重要だと感じているのかを聞きました。音楽についても色々と教えてくれました。

 

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お名前をお願いします。

え~と、パスします。他の質問もこんなに難しいんですか?

 

Linuxコミュニティでのあなたの役割や、担当のサブシステムについて教えてください。 

カーネルにはさまざまなタイミングで大きな仕事に関わってきました。現在はターミナル レイヤーの再開発を完成させようとしています。この領域に残っているロックの問題の解消やバグの修正を行っています。基本的には、気にする人が少ない扱いにくい技術問題に携わっています。

他にも現在 Intel が出荷している各種のグラフィックデバイス (Imagination 社技術を採用) の 2D グラフィックス サポートの安定化を図る作業をしています。また、カーネル bugzilla のクリーンアップを一人で受け持っています。

 
 

報酬はどこから得ていますか?

Red Hat に 10 年間勤めた後、数年前 Intel に転職しました。ここでは楽しく過ごしています。

 

お住まいは?そしてそこを選んだのはなぜですか?

南ウェールズのスウォンジに住んでいます。初めてここに降り立ったのは大学生の時です。妻ともここで出会い、それから移動していません。他の大都市に比べてとても落ち着くし、住民もフレンドリーだと思います。窓を開けると丘や海の眺めも楽しめるので心地良いです。
ここにはイングランドよりも良いラグビー チームがありますしね:)

 

ソフトウェア開発に愛用している生産性向上ツールを教えてください。デスクトップでは何を使っていますか?

自分の頭脳と経験、そして時には運です。私が使用しているツールセットはまったく通常の物ですが、エディターに関してはセンスが良い物を使っています。bash シェル、joe エディター、gcc、 make、git です。
ほとんどのコンピュータで Fedora を走らせていますが、デスクトップはシステムやセットアップによって異なりますし、時には組み合わせを変えたり、試行的なことをすることもあります。Fedora 17 ではグラフィックス ドライバーにバグが現れたので、現在は GNOME 3 を使っていろいろと試しています。そのほかに普段は Xfce も使っています。
以前、アンドロイドをビルドするために使った Ubuntu VM もまだ Unity を走らせています。Windowmakerの出来の悪いリメーク (スタイルはない) のようなものですが。
最近、Fedora (最先端の技術を用いて優れているが) でバグが頻発するようになったので、ディストリビューションの選択でもいろいろと実験をしています。

 

どのようにして Linux カーネル開発をするようになったのですか?

ほぼ偶然です。私はemail やユーザー ID などの UNIX 機能を Amiga に加える作業をしていましたが、AberMUD マルチユーザー対応ゲームを起動するためには、より優れたシステムが必要でした。このようなゲームを起動するには、当時の Windows は役に立ちませんでした。386BSD には FPU が必要だった上に面倒な修正も必要でした。Linux は簡単に動作しました。

Linux が簡単に動作することがわかったのですが、Linux が完全に動作していないこともすぐにわかって、いろいろな修正をすることになり、それからネットワーク スタックの開発に携わるようになりました。やがて、その部分の保守やステーブル リリースにも関わるようになりました。そうこうしている内に、Thomas Radke と一緒に Linux SMP サポートの開発を行いました。残念ながら Thomas は忘れられているようですが。また、Linux Mac68K とか 8086 上のミニ Linux のようなまともじゃないプロジェクトにも、ちょっと手を出したりしています。

 

Linux カーネル開発のどんなところに魅力を感じていますか?

1 つは常に変化があるからです。ハードウェアが変化し、ソフトウェアが変化し、そして需要も変化しています。常に新たな課題に直面するのです。

もう 1 つは世界を変えられる点です。直接的には、プロプライエタリなライセンスではあり得ないような領域に、コンピューターを提供できること。間接的には、大衆によるモノづくりの文化に新たな波を形成すること。これはモノづくりの文化を外界に拡大するものです。

 

共同開発作業で経験したこと (炎上、ありえないコード投稿、すばらしい成果など) で、最も面白かったのはどんなことですか?         

面白かった経験談を 1 つに絞るのは難しいです。短い話がほとんどですが、たくさんあります。退屈はしません。今はアンドロイドの出荷数を楽しみながら観察しています。このペースで行くと、いずれ Linux はコピー数でビートルズを抜くんじゃないですかね。

 

参加を希望している開発者に対して、何かアドバイスはありますか?          

データベースについて何か知っているなどと思わないこと。そして決して bugzilla の構築に手を貸そうなどと申し出ないこと。

どのようなプロジェクトでも、大事だと思うことに専念し、正しく作業してください。「正しく」とは曖昧な表現ですが、自分が満足いく方法で作成したコードが自分の満足いく結果を出してくれたならそれは「正しい」作業だと思います。

5 年後に同じコードを見てぞっとするかもしれないですが、それも経験です。

それと、カーネルに執着しないでください。カーネルは巨大で、かつ多くの人が注目しているので、いろいろな意味で、作業がしづらいです。カーネルが動かなくなると気にする人は多いです (Android だけでも日々増えています)。

ほかにも開放性と柔軟性を備えた新しいプロジェクトやテクノロジーは存在します。最近では、3D 印刷や HTML5 や webgl で信じられないようなことをやっている人もいて、Linux の黎明期に似ているかもしれません。あの頃は何がうまくいくのか誰もわからなかったので、なんでもやれたし、何を試してもくだらないなどと謗られませんでした。

 

コードを書くときには何か聴いていますか?                    

複雑なコードの作業をしている時は何も聴きません。単調な作業をしている時は、その単調度にもよります。結構幅広いジャンルの音楽を聴いています。Show of Hands などのフォーク/ロック バンドから、ZZ TopNew Model Army など。単調な作業中は MotorheadMinistryDead Kennedysを聴きます。
ほかにも、主流ではないですが、The Fishermans FriendsMachinae SupremacyHörstreich も結構良いですよ。最近のミュージシャンは、業界に縛られず自由に活動できるようになってきたのでうれしいです。

 

あなたとやりとりできるメーリング リストや IRC チャネルは何ですか?そして、あなたと会えるカンファレンスは?

カーネル関連のメーリング リストには結構参加していますが、カンファレンスは少ないです。遠出は苦手ですし、飛行機は大嫌いです。空港のセキュリティ施設など、今では特に恐怖です。

でも、スウォンジからプラハへの鉄道の旅は楽しかったです。私を見つけるには、Linux のカンファレンスよりも鉄道模型展や保存鉄道を探したほうが、確率が高いと思います。Linux は楽しいとはいえ、やはり「仕事」ですから。

 


30人のLinuxカーネル開発者:Paul E. McKenney
本シリーズの最後を飾るのは Paul E. McKenney です。彼が夢中になっているカーネル開発作業は IBM がサポートしているそうです。また、彼がなぜ vi を使っているかや、Alexey Kuznetsov からどのように刺激されて Linux に関わるようになったか語ってくれました。そこには皆さんの想像とは少し違う経緯がありました。
30人のLinuxカーネル開発者:Frédéric Weisbecker
今週の30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Frédéric Weisbecker に話を聞きました。フランスの北東部に住んでいる彼は、Linux に関わるようになったきっかけや、同じような道を歩もうとしている人達にとって有用なアドバイスを語ってくれました。Linux コミュニティでのエイプリル フールにまつわる楽しいパッチも教えてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Herbert Xu
30 人の Linux カーネル開発者シリーズも残すところ 3 人となりました。Linux 開発のコミュニティの貢献者についてさらに知っていただくため、引き続き新たなシリーズを開始する予定です。ご提案やフィードバックなどありましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。今週は Herbert Xu を紹介します。彼の回答は簡潔で賢明です。
30人のLinuxカーネル開発者:Chris Mason
30 人の Linux カーネル開発者シリーズも残すところ数人となりました。今週はカーネル開発者であり、また Btrfs メンテナーでもある Chris Mason を紹介します。 彼のデスクトップ、生産性向上ツール、そしてお気に入りの炎上のエピソードについて話してくれました。また、カーネル開発に参加するためのアドバイスもしてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:James Bottomley
30 人の Linux カーネル開発者シリーズの 26 週目を飾るのは James Bottomley です。彼の日中の仕事は何なのか、なぜ彼は SCSI メーリングリスト上で他の人に異議を唱えるのか、そしてなぜ Bell Labs が彼に Windows から Linux への移行を許可したのかについて話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:John Stultz
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30人のLinuxカーネル開発者:H. Peter Anvin
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30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズ、今週は Oracle の Chuck Lever に話を聞きました。彼は Linux NFS と FedFS の実装の仕事をしていますが、Linux に関わるようになったのはミシガン大学に在学中でした。彼から Linux 初心者へのスペシャル アドバイスがあります。コンピューター史上最大の共同開発プロジェクトの一員の面白い見識を、ぜひどうぞ。
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30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズ、今週は Jiří Kosina に話を聞きました。彼は、なぜ Linux が推理小説の「誰がやった?」ストーリーに似ているのか、また、なぜ Linux の仕事がかっこいいということだけでは動機として不十分なのかについて話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Laurent Pinchart
Linux カーネル開発者の Laurent Pinchart (「メディア コントローラーの人」として知られている) はビデオ キャプチャーとディスプレイ関連の仕事をしています。彼が Linux に関わるきっかけとなった幸運な出来事や、彼の開発したフリー ソフトウェアを台湾のある企業が 5 万米ドルで譲ってほしいと持ち掛けてきた時の思い出について話してくれました。本シリーズで取り上げた他の開発者の多くと同じように、Linux に対する彼のモチベーションにはお金以外の何かがあるようです。
30人のLinuxカーネル開発者:Jiří Slabý
30 人の Linux カーネル開発者シリーズ第 16 弾へようこそ。今週は、若き開発者 Jiří Slabý に話をききます。彼は Linux カーネルの仕事が好きな理由を次のように語っています。「カーネルを完全に理解することは誰にもできないからです。常に変化を遂げるエコシステムであり、常に新たなことを学ぶ必要があります。そして、この仕事に関わる人達です。彼らから本当のプログラミングを教わりました。」
30人のLinuxカーネル開発者:Mauro Carvalho Chehab
今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Mauro Carvalho Chehab を存分に紹介します。彼は Linux カーネルのメディア サブシステム メンテナーとしてブラジルで活動しながら、新人の開発者がコミュニティーに貢献・協力できる最善の方法を学ぶ手助けをするために、できる限りの時間を費やしています。
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今週の30人のLinux カーネル開発者シリーズでは Ben Hutchings を紹介します。彼はいろいろな活動を行っていますが、とりわけ Linux カーネルの Debian パッケージ メンテナーとして活躍しています。彼は「Linuxに関わりたいなら、小さなことから始めて徐々に“脳外科手術”へと進んで行ってください。」と語っています。
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8 月末にサンディエゴで開催された Linux Kernel Summit、Linux Plumbers Conference、LinuxCon、CloudOpen など、コミュニティの人々が直接協調するイベントを無事に終えて帰って来ました。今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Julia Lawall を紹介します。彼女が Linux カーネル開発に関わるようになった経緯や、どんなところに魅力を感じているかについて話してくれました。
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30人のLinuxカーネル開発者:Johannes Berg
Johannes Berg は、カーネル開発者としてワイヤレスコードと iwiwifi ドライバーのメンテナーを務めています。他の多くの開発者と同様、自分のコンピューターのハードウェアの問題を解決するために Linux に関わりはじめ、それ以来ほかのことをやろうとしたことはありません。彼は来週 LinuxCon North America に参加し、「Linux ワイヤレス スタックの設計課題と今後」について講演します。
30人のLinuxカーネル開発者:John W. Linville
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 10 弾は、2006 年から Linux カーネルのワイヤレス LAN サブシステムのメンテナーをしている John Linville です。彼は「自分の仕事を細かく記録していませんが、同じ難題にもさまざまな取り組み方がありえます。」と話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Arnd Bergmann
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 9 弾は、Arnd Bergmann です。彼が現在重点的に取り組んでいる作業や、Linux の新人への細かいアドバイスなどについて語ってくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Alan Cox
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 8 弾は Alan Cox です。彼が Linux に関わることになった経緯や、なぜ今でもこの仕事が重要だと感じているのかを聞きました。音楽についても色々と教えてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Paul Mundt
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 7 弾は、SuperH アーキテクチャや AMR ベースの SH/R モバイル プラットフォームのコア部分に関わる開発を行っている Paul Mundt です。彼の 20 年近くにわたるカーネルの仕事について、実体験を交えながら語ってもらいました。彼の言葉から、共同開発作業は眠ることを知らず、大陸をまたぐフライトの間でも常に稼動していることが分かります。
30人のLinuxカーネル開発者:Dave Jones
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 6  弾は、Fedora  カーネルのメンテナーの Dave Jones です。彼の仕事や考え方について色々と話を聞きました。
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30週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 4 弾はJean Delvare です。
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30人のLinuxカーネル開発者:Linus Torvalds
  最初に登場するのは、もちろん Linux 創始者である Linus Torvalds です。今週 Linus は、ミレニアム技術賞のセレモニーに出席するために、故郷のフィンランドに帰っています。彼は 2012 年ミレニアム技術賞の共同受賞者(参考:もう一人の受賞者は山中伸弥教授)に選ばれました。彼は、フィンランドに発つ直前にこのインタビューに応えてくれました...

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