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30 人の Linux カーネル開発者

30人のLinuxカーネル開発者:Jonathan Corbet

今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Jonathan Corbet を紹介します。Linux コミュニティで彼を知らない人はいないでしょう。彼はカーネルの貢献者、各種の Linux イベントの常連講演者、そして最も広く読まれているカーネル開発のネット出版物、LWN.net の編集者でもあります。また、The Linux Foundation の年次報告書 "Who Writes Linux" (和訳『Linux カーネル開発: その開発スピード、開発者、開発過程および支援企業 』) の共著者でもあり、Linux Weather Forecast や "How to Participate in the Linux Community" (和訳『Linuxカーネル開発への参加方法』) などの有用な資料も執筆しています。
彼をよく知っている人も知らない人も、このインタビューを通じて、彼がコロラド州のボルダーに住むようになったわけや、彼の父親にちなんで名前がつけられたスキーの難コースのこと、デスクトップで走らせているもの、そして Linux コミュニティに参加しようとする Linux 初心者へのアドバイスなど、彼に関する新しいことを知っていただければ幸いです。


これまでに紹介した開発者のプロフィールは、こちらに掲載されています。
インタビューの原文はこちらです。
 

 

Jon Corbet

お名前をお願いします。

Jonathan Corbet です。


Linux コミュニティでのあなたの役割や、担当のサブシステムについて教えてください。 

私はもっぱらインターネット上で恥をさらしています。つまり、私より知識がある人たちの前でカーネルについて書いたり、喋ったりしています。そのほかにも Linux Device Drivers の主執筆者でもありますし、Video4Linux のドライバーもたくさん書きました。時には、他のカーネルの部分もいじって自分の手を汚しています。例えば、ビッグ カーネル ロック (BKL) を排除する作業の一部に関わり、やっとのことで成功させました。

 

報酬はどこから受け取っていますか?

LWN.net が私の主な仕事です。ほかにも、あちこちでちょっとしたコンサルティングの仕事をしています。

  

お住まいは?そしてそこを選んだのはなぜですか?

コロラド州のボルダーです。コロラド大学に通うためにここへ来て以来、特に離れることはありませんでした。この町は大学、ヒッピーの巣、ハイテク企業、大自然が混在する楽園です。ここを離れることは考えられません。

私はもともとワイオミング州の北部の出身です。そこには私の父親にちなんで名前がつけられたスキーの難コースもあります。

 

ソフトウェア開発に愛用している生産性向上ツールを教えてください。デスクトップでは何を使っていますか?

周りの人たちの関心が把握できるように、いろいろなディストリビューションを使うようにしています。デスクトップでは Debian Testing を走らせています。現在使用している生産性向上ツールは Emacs ですが、他にも claws-mail や Python インタープリターも使っています。

 


どのようにして Linux カーネル開発をするようになったのですか?

1980 年代初め、私が大学生だったころに、初期の BSD Unix を走らせていた VAX のメモリ管理の「修理」をする機会を与えられました。幸い、その時私が書いたコードははるか昔に全て記憶から消し去られてしまいました。ですが、それ以来、カーネル開発に関わるようになりました。1993 年に初めて自分の Linux システムを組みましたが、最初のパッチを送る機会が訪れたのはそれから数年も後のことです。

1997 年までには、Linus の世界制覇という目標 (半分冗談) が実現するのではないかと感じられるようになりました。そこで思い切って安泰な日中の正規の仕事 (私の趣味にはあまり合っていない) を辞めて、これに挑戦してみることにしました。



Linux カーネル開発のどんなところに魅力を感じていますか?

賢い人たちの集まりにくっついているのは楽しいものですが、カーネルのコミュニティはまさにそのような集まりなのです。挑戦することが面白いですし、その挑戦のために私たちが築き上げてきたこのコミュニティは前例のないものです。膨大な数のユーザーの生活を改善できるのは、とても喜ばしいことです。Linux のブーム以前から楽しかったですけどね。

結局のところ、全て冒険なのです。私たちは世界を変えましたが、まだやるべきことは多々あります。このような冒険に参加したくない人がいると思いますか?

 

共同開発作業で経験したこと (炎上、ありえないコード投稿、すばらしい成果など) で、最も面白かったのはどんなことですか?          

もう 10 年近く経ちますが、SCO 問題が私たちのコミュニティにもたらした衝撃は今でも忘れられません。私たちは一丸となって法的問題を検討し、考えられるすべての方面からこの攻撃と戦いました。その間、カーネルのすべてのコードが顕微鏡にかけられ、数百万ドルもの大金を費やして、カーネルのコードで法的に問題となりそうな要素がないかを細かく調べました。結果的には何も検出されませんでした。何千人もの人が関わり、ルーズなプロセスで開発されたコードに一切問題がないなどとは誰も考えることができませんでした。

 

参加を希望している開発者に対して、何かアドバイスはありますか?          

カーネル ツリーに収められている資料を読んでください。プロセスがどのように機能しているかについての情報がたくさん載っています。しばらくの間はメーリング リストを読み、ディスカッションやコードをできるかぎり理解する努力をしてください。そして、バグの修正をしてください。これがコミュニティ内での信頼を得る最良の手段です。

 

コードを書くときには何か聴いていますか?

いろいろなものを聴きますが、地元のボランティアが運営する KGNU というラジオ局のものが多いです。私が知る限りでは、似たようなラジオ局は世界にほとんど存在しません。

 

あなたとやりとりできるメーリング リストや IRC チャネルは何ですか?そして、あなたと会えるカンファレンスは?

メーリング リストは linux-kernel。IRC にはあまり参加しません。時間がないし、私のワーキング スタイルを乱すので。カンファレンスには「すべて」参加しています、とは言いつつも来年は多少抑えるつもりです。

 


30人のLinuxカーネル開発者:Paul E. McKenney
本シリーズの最後を飾るのは Paul E. McKenney です。彼が夢中になっているカーネル開発作業は IBM がサポートしているそうです。また、彼がなぜ vi を使っているかや、Alexey Kuznetsov からどのように刺激されて Linux に関わるようになったか語ってくれました。そこには皆さんの想像とは少し違う経緯がありました。
30人のLinuxカーネル開発者:Frédéric Weisbecker
今週の30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Frédéric Weisbecker に話を聞きました。フランスの北東部に住んでいる彼は、Linux に関わるようになったきっかけや、同じような道を歩もうとしている人達にとって有用なアドバイスを語ってくれました。Linux コミュニティでのエイプリル フールにまつわる楽しいパッチも教えてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Herbert Xu
30 人の Linux カーネル開発者シリーズも残すところ 3 人となりました。Linux 開発のコミュニティの貢献者についてさらに知っていただくため、引き続き新たなシリーズを開始する予定です。ご提案やフィードバックなどありましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。今週は Herbert Xu を紹介します。彼の回答は簡潔で賢明です。
30人のLinuxカーネル開発者:Chris Mason
30 人の Linux カーネル開発者シリーズも残すところ数人となりました。今週はカーネル開発者であり、また Btrfs メンテナーでもある Chris Mason を紹介します。 彼のデスクトップ、生産性向上ツール、そしてお気に入りの炎上のエピソードについて話してくれました。また、カーネル開発に参加するためのアドバイスもしてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:James Bottomley
30 人の Linux カーネル開発者シリーズの 26 週目を飾るのは James Bottomley です。彼の日中の仕事は何なのか、なぜ彼は SCSI メーリングリスト上で他の人に異議を唱えるのか、そしてなぜ Bell Labs が彼に Windows から Linux への移行を許可したのかについて話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:John Stultz
今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは John Stultz を紹介します。彼は Portlandia をベースとし、現在は IBM から Linaro プロジェクトに出向しています。彼の Linux との「恋愛」関係は 1997 年に始まりましたが、その選択に満足して、過去を振り返ることはありません。
30人のLinuxカーネル開発者:Jonathan Corbet
今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Jonathan Corbet を紹介します。彼をよく知っている人も知らない人も、このインタビューを通じて、彼がコロラド州のボルダーに住むようになったわけや、彼の父親にちなんで名前がつけられたスキーの難コースのこと、デスクトップで走らせているもの、そして Linux コミュニティに参加しようとする Linux 初心者へのアドバイスなど、彼に関する新しいことを知っていただければ幸いです。
30人のLinuxカーネル開発者:Glauber Costa
LinuxCon Europe の後、一息ついている間に 1 週間中断してしまいました。今週から、Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズを再開します。このシリーズも 23 週目を迎えましたが、今回紹介する Glauber Costa も世界有数の才能豊かなソフトウェア開発者です。
30人のLinuxカーネル開発者:Stephen Hemminger
Stephen Hemminger は ネットワークの専門家であり、Bridge ユーティティと iproute2 ユーティリティのメンテナーを務める Linux カーネル開発者です。今回の Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズでは、Stephen Hemminger が彼のカーネル開発キャリアにおいて最も印象に残った出来事について説明してくれました。それは、小さなプロジェクトがとても大きな影響力を持つようになったことでした。
30人のLinuxカーネル開発者:Steven Rostedt
Steven Rostedt は Red Hat でリアルタイム パッチの安定版カーネルのメンテナーをしています。今回の Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズで、Steven Rosted は彼のキャリアがどのようにして Lockheed Martin から Linux カーネルへと移行し、最終的にカーネルの職についたかを説明してくれました。彼がカーネル開発者になっていなかったら何をしていたでしょう?スターバックスのフランチャイズ店です。
30人のLinuxカーネル開発者:H. Peter Anvin
30  週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズは 20 週目を迎えました。今週は H. Peter Anvin に話を聞きました。彼と Linux の関わりは 1992 年に始まりましたが、そこには入院、盗まれた OS/2 マニュアル、そして公衆電話で注文したコンピューターが関係していました。
30人のLinuxカーネル開発者:Chuck Lever
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズ、今週は Oracle の Chuck Lever に話を聞きました。彼は Linux NFS と FedFS の実装の仕事をしていますが、Linux に関わるようになったのはミシガン大学に在学中でした。彼から Linux 初心者へのスペシャル アドバイスがあります。コンピューター史上最大の共同開発プロジェクトの一員の面白い見識を、ぜひどうぞ。
30人のLinuxカーネル開発者:Jiří Kosina
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズ、今週は Jiří Kosina に話を聞きました。彼は、なぜ Linux が推理小説の「誰がやった?」ストーリーに似ているのか、また、なぜ Linux の仕事がかっこいいということだけでは動機として不十分なのかについて話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Laurent Pinchart
Linux カーネル開発者の Laurent Pinchart (「メディア コントローラーの人」として知られている) はビデオ キャプチャーとディスプレイ関連の仕事をしています。彼が Linux に関わるきっかけとなった幸運な出来事や、彼の開発したフリー ソフトウェアを台湾のある企業が 5 万米ドルで譲ってほしいと持ち掛けてきた時の思い出について話してくれました。本シリーズで取り上げた他の開発者の多くと同じように、Linux に対する彼のモチベーションにはお金以外の何かがあるようです。
30人のLinuxカーネル開発者:Jiří Slabý
30 人の Linux カーネル開発者シリーズ第 16 弾へようこそ。今週は、若き開発者 Jiří Slabý に話をききます。彼は Linux カーネルの仕事が好きな理由を次のように語っています。「カーネルを完全に理解することは誰にもできないからです。常に変化を遂げるエコシステムであり、常に新たなことを学ぶ必要があります。そして、この仕事に関わる人達です。彼らから本当のプログラミングを教わりました。」
30人のLinuxカーネル開発者:Mauro Carvalho Chehab
今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Mauro Carvalho Chehab を存分に紹介します。彼は Linux カーネルのメディア サブシステム メンテナーとしてブラジルで活動しながら、新人の開発者がコミュニティーに貢献・協力できる最善の方法を学ぶ手助けをするために、できる限りの時間を費やしています。
30人のLinuxカーネル開発者:Ben Hutchings
今週の30人のLinux カーネル開発者シリーズでは Ben Hutchings を紹介します。彼はいろいろな活動を行っていますが、とりわけ Linux カーネルの Debian パッケージ メンテナーとして活躍しています。彼は「Linuxに関わりたいなら、小さなことから始めて徐々に“脳外科手術”へと進んで行ってください。」と語っています。
30人のLinuxカーネル開発者:Julia Lawall
8 月末にサンディエゴで開催された Linux Kernel Summit、Linux Plumbers Conference、LinuxCon、CloudOpen など、コミュニティの人々が直接協調するイベントを無事に終えて帰って来ました。今週の 30 人の Linux カーネル開発者シリーズでは Julia Lawall を紹介します。彼女が Linux カーネル開発に関わるようになった経緯や、どんなところに魅力を感じているかについて話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Martin K. Petersen
今週、世界中の Linux カーネルの開発者達が、年に 1 度開催される Linux Kernel Summit に集合します。今回の開催地はサンディエゴで、LinuxCon と CloudOpen もいっしょに開催されます。ここに集まる開発者達は世界最高レベルとして知られています。今週はその中の 1 人である Martin Petersen を紹介します。彼は世界最大の共同開発プロジェクトの参加者であり、貢献者でもあります。
30人のLinuxカーネル開発者:Johannes Berg
Johannes Berg は、カーネル開発者としてワイヤレスコードと iwiwifi ドライバーのメンテナーを務めています。他の多くの開発者と同様、自分のコンピューターのハードウェアの問題を解決するために Linux に関わりはじめ、それ以来ほかのことをやろうとしたことはありません。彼は来週 LinuxCon North America に参加し、「Linux ワイヤレス スタックの設計課題と今後」について講演します。
30人のLinuxカーネル開発者:John W. Linville
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 10 弾は、2006 年から Linux カーネルのワイヤレス LAN サブシステムのメンテナーをしている John Linville です。彼は「自分の仕事を細かく記録していませんが、同じ難題にもさまざまな取り組み方がありえます。」と話してくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Arnd Bergmann
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 9 弾は、Arnd Bergmann です。彼が現在重点的に取り組んでいる作業や、Linux の新人への細かいアドバイスなどについて語ってくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Alan Cox
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 8 弾は Alan Cox です。彼が Linux に関わることになった経緯や、なぜ今でもこの仕事が重要だと感じているのかを聞きました。音楽についても色々と教えてくれました。
30人のLinuxカーネル開発者:Paul Mundt
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 7 弾は、SuperH アーキテクチャや AMR ベースの SH/R モバイル プラットフォームのコア部分に関わる開発を行っている Paul Mundt です。彼の 20 年近くにわたるカーネルの仕事について、実体験を交えながら語ってもらいました。彼の言葉から、共同開発作業は眠ることを知らず、大陸をまたぐフライトの間でも常に稼動していることが分かります。
30人のLinuxカーネル開発者:Dave Jones
30 週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 6  弾は、Fedora  カーネルのメンテナーの Dave Jones です。彼の仕事や考え方について色々と話を聞きました。
30人のLinuxカーネル開発者:Greg Kroah-Hartman
30週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第5弾は、Linux ステーブル (安定版) カーネルのメンテナーで、Linux Foundation フェローでもある Greg Kroah-Hartman です。
30人のLinuxカーネル開発者:Jean Delvare
30週に渡り多彩な Linux カーネル開発者を紹介していくシリーズの第 4 弾はJean Delvare です。
30人のLinuxカーネル開発者:Sarah Sharp
30週に渡り多彩なLinux カーネル開発者をご紹介していくシリーズの第 3 弾は Sarah Sharp です。
30人のLinuxカーネル開発者:Thomas Gleixner
30人のLinuxカーネル開発者を毎週紹介していくシリーズの第2弾は、Thomas Gleixnerです。
30人のLinuxカーネル開発者:Linus Torvalds
  最初に登場するのは、もちろん Linux 創始者である Linus Torvalds です。今週 Linus は、ミレニアム技術賞のセレモニーに出席するために、故郷のフィンランドに帰っています。彼は 2012 年ミレニアム技術賞の共同受賞者(参考:もう一人の受賞者は山中伸弥教授)に選ばれました。彼は、フィンランドに発つ直前にこのインタビューに応えてくれました...

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