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エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20

エリック・ホッファー自伝―構想された真実を読んだ。 エリック・ホッファーという人について全く知識なく自伝を読んだ。面白かった。 彼は1902年にドイツ系移民として生まれ、7歳で失明し、15歳の時視力回復する。正規の学校教育を受けていない。日雇い労働で生きながらえながら放浪をしつつ、独学をした。ドストエフスキーの「白痴」は、ほとんど内容を覚えてしまうくらい読んだ。「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」を読み返してみて、自分の心が成熟していることに気づく。(27ページ) しかしながら、この時期ドストエフスキーやその他の作家たちよりも、彼の心を支配した一冊の本があった。旧約聖書である。(28ページ) モンテーニュのエセーを読みそこに自分の姿を発見する。(90ページ)砂金採掘の時期に、勉強し、考え、そして書いた。仕事のない日を過ごすために十分な読み物を用意する必要があって、古本屋で1000ページくらい本を1ドルで買った。表紙には「ミシェル・ド・モンテーニュのエセー」と書かれていた。 スタインベックが「怒りの葡萄」(1939年)で鮮烈に描いたあの苦悩を経験したのである(184ページ) 彼の放浪の旅と季節労働者としての定職を持たない生き様がスゴい。 彼の他の著書も読んでみたいと思った。それだけのインパクトはあった。おすすめだ。 ブックリスト エリック・ホッファー自伝―構想された真実 白痴 1 (河出文庫) 白痴 2...
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カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19

ドストエフスキーの読書会の最後の課題本が「カラマーゾフの兄弟」で、課題的には一回読了している*1ので特に問題(?!)はないのだけど、なんとなく再読するくらいの勢いがないといけないのではないかと思い新潮文庫版(原卓也訳)で飛ばし読みをした。 その感想。長い上に落ちも結論もありません。 連続する読書会「ドストエフスキー」 ドストエフスキーの読書会、最終回は「カラマーゾフの兄弟」だ。読んだよ。読んだ。読みましたとも。この傑作を。読了したツワモノたちの中に一人で入りましたとも。 おなじみの光文社古典新訳文庫(亀山郁夫訳)でガッツリ読んで、勢い余って、二周目に突入して、今度は新潮文庫版(原卓也訳)で読んだ。 光文社古典新訳文庫には、主要登場人物の名前が書いてある栞が付いているので、初心者に優しい。そればかりか、各巻ごとに亀山郁夫先生の読書ガイドが付いている。なじみの薄いロシア文学あるいはドストエフスキーの人となりなどを知るには最高の構成になっている。光文社古典新訳文庫ラブである。通常、文庫本の「解説」とか「あとがき」とかどう考えても手抜きのあってもなくてもいいよな、むしろないほうがいいくらいのものが多いが、この亀山読書ガイドはそれだけで独立して読めるだけの内容が詰まっている。各巻ごとにあらすじ、主な登場人物のキャラクター、時代背景などが解説されているので、ロシア文学リテラシーが全くなくてもふんふん、そーゆーことなのね、と読める。ドストエフスキーどころかロシア文学を一冊も読んだ事がない自分にとって重要な地図と羅針盤になった。*2 強欲なカラマーゾフさんとその息子(三兄弟)の物語で、お父さんのカラマーゾフさんが誰かに殺されて、その容疑者として長男(ミーチャ)が逮捕され、裁判にかけられる、というのが非常にざっくりとしたあらすじである。 ネットで「兄弟」を調べてみても、あまりネタバレを発見できない。誰も読んでないんじゃないの?と思わなくもないが、2000ページを超える小説のあらすじを記すだけでも大変だし、いきなりネタバレするようなことを書くというのも何を書けばネタバレになるのか、それすらもよくわからないという状況なのではないかと予想する。 本書は長編ミステリーとしても読めるし、人間の欲望、宗教と無神論、科学と宗教、人間社会にまつわるありとあらゆるものが全部入っているヒューマンドラマとしても読める。 まあ、そんなこんなで一回目はストーリー展開に翻弄されながら読んだ。そして何を思ったか新潮文庫版ですぐに再読した。 青空文庫に「カラマゾフの兄弟」の上巻があるので、作者の序論を引用する 作者より  この物語の主人公アレクセイ・フョードロヴィッチ・カラマゾフの伝記にとりかかるに当たって、自分は一種の懐疑に陥っている。(中略) それにしても、自分は、こんな、実に味気ない、雲をつかむような説明にうき身をやつすことなく、前口上などはいっさい抜きにして、あっさりと本文に取りかかってもよかったであろう。お気にさえ召せば、通読していただけるはずである。ところが、困ったことには、伝記は一つなのに、小説は二つになっている。しかも、重要な小説は第二部になっている――これはわが主人公のすでに現代における活動である。すなわち、現に移りつつある現在の今の活動なのである。第一の小説は今を去る十三年の前にあったことで、これはほとんど小説ロマンなどというものではなくて、単にわが主人公の青年時代の初期の一刹那いっせつなのことにすぎない。そうかといって、この初めの小説を抜きにすることはできない。そんなことをすれば、第二の小説の中でいろんなことがわからなくなってしまうからである。しかも、そうすれば自分の最初の困惑はいっそう紛糾してくる。すでにこの伝記者たる自分自身からして、こんなに控え目で、つかみどころのない主人公には、一つの小説でもよけいなくらいだろうと考えているのに、わざわざ二つにしたら、いったいどんなことになるであろう。それにまた、自分のこの不遜ふそんなやり口を、どうして説明したらよいであろう? http://www.aozora.gr.jp/cards/000363/files/42286_37300.html つまり、2000ページ以上費やして描かれた「兄弟」の全体を読んだつもりになっていたのだが、自分が読んだのは二つある小説のうちの前半部分だけだったのである。そしてドストエフスキーは前半部分を書き終えたのちにすぐになくなっている。 すなわち「カラマーゾフの兄弟」という小説は未完の大作なのである。 一度目読んだ時は「作者より」に明示的に描かれていることなんか見事にスルーして、壮大な物語に翻弄されて、そういう構造だったのかというのを全く読解できていなかった。自分の読解力の無さというかリテラシーの低さに絶望した。...
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論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18

スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会に出ていた、論理トレーニング101題を読んだ。 この5冊はどれもすごくて一生モノの教養を身につけるというのはまさにその通りだと思う。 知人が早速、「論理トレーニング101題」の読書会をしようと声をかけてきた。未読だったし、断る理由もないので、読むことにした。 各自が自由にお勧めしたい本を紹介するタイプの読書会ではなくて(それはそれで、読書の幅が広がって楽しい)、課題図書をみんなで読むタイプの読書会になる。前者が、「何」を読むかと言うタイプの読書会で、後者は「いかに」読むかと言うタイプの読書会になる。それぞれ横型と縦型というイメージになる。 本書は、個人向け論理トレーニングの本。練習問題をやることによって論理的な力がパワーアップできるようになる。練習問題が101問あるので、それをやればやっただけ論理的な力がつく、という触れ込みの書籍だ。 ここでいう「論理的な力」とは1)思考を表現する力、2)表現された思考をきちんと読み解く力、と定義している。 その論理的な力をつけるために101題の練習問題を用意していて、すべてに詳細な解説と解答をつけている。教科書として使ってもいいし、独習書としても使える。 練習問題を読んで、ちょっと考えて解説を読んだ。自力で解答を作るというよりも先に解説を読むことが多かった。論理的な力がついたかはわからないが、一人で読むと挫折してしまうので読書会で仲間と読み進めるというのはいいと思った。 本書を読んで自分の読み方の弱さを再認識した。ちゃんと練習問題をできていない。読み方が能動的に練習問題をずんずんやるというよりも解説を読みながら前に進むスタイルだということがよくわかった。 議論を読む方法、論証する方法について、下記のような章立てで解説している。...
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ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17

世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で紹介した読書リストから、最初に罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)を読んでみた。 ドストエフスキーは名前は聞いたことはあるけど、まるっきり読んだことはない。それどころかロシア文学(?!)を読んだことは全くない。ということで、なんでもよかったのだけど、有名どころから読むことにした。 ネットを検索すると 【お知らせ】連続する読書会「ドストエフスキー」全5回+おまけ会 – 双子のライオン堂 というのを見つけた。 一人で読むのはしんどいし、読書会だったら無理やり読めると思ったので参加することにした。残念ながら第1回には参加できないので、それは一人で読むことにしたのだが、6月末に出張ではこだて未来大学に行った時、たまたまご一緒した、翔泳社の岩切さんに声をかけて「罪と罰」読みましょうよ〜と巻き込んでみた。(いろいろとご迷惑をおかけしました)そんなこんなで8月に岩切さんと読書会したのだけれど、当面ドストエフスキーはお腹いっぱいということで、残りの作品については、「連続する読書会」に参加することをきっかけに読んだ。 結局、下記の長編4作品を読了した。 いろいろな訳があるわけだけれど、光文社古典新訳文庫版を読んだ。光文社古典新訳文庫の栞は主な登場人物が書いてあるという初心者に優しい仕様になっている。 光文社古典新訳文庫...
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世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16

文学入門 (岩波新書 青版)がスゴ本だというのは、 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で紹介した。その世界近代小説五十選を参考までに載せておく。 この本を読んだ時点で五十選のただ一つも読んだことがなかったので、手始めにドストエフスキー「罪と罰」から読んでみた。名前は聞いたことがあるが読んだことない世界の名著である。 小説は所詮楽しみのために読むのであるから、何をどう読んでも構わないし、そこは自由なのだけど、若い頃にこの手の古典をたくさん読んでおくと人生が豊かになるような気がする。人生に影響を与える一冊に出会えるかもしれない。60歳間際のおじさんが読んでも面白いのだから感受性が豊かな若者であれば、ひょっとしたら人生を踏み外してしまうかもしれない。人生を踏み外さないかもしれないけれど。 自分にはリベラルアーツが圧倒的に足りない。最近とみにそう思う。20代〜40代はひたすら自分の専門性を磨いていた。読むものといえばコードと専門書だった。それはそれでその時期に必要だったので、別に後悔しているわけではないが、もう少し別のバランスがあったかもしれない。なかったかもしれないけれど。 そのアンバランスが自分の個性になっていたのは間違いないが、最近、人生二毛作を意識するようになって、ちょっとは古典を読んでみたくなった。そして下記がその端緒だ。作者の名前すら聞いたことがないものがいくつもあった。*は読もうと思って文庫を購入したもの、いわゆる積読だ。...
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超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書)を読んだ。 (乱読日記風で紹介したい本がどんどん溜まっていて消化不良になっている。積ん読ならぬ積み書き) 日本の人口減少と非婚化のトレンドをデータを駆使してこれでもかと解説した書である。 第1章 増えるソロで生きる人たち、第2章 ソロで生きる人々を許さない社会、第3章 男たちは嫌婚になったのか、第4章 結婚してもソロに戻る人たち、第5章 ソロたちの消費、第6章 ソロ社会の未来 生涯未婚率が過去最高水準(男性で23.4%、女性で14.1%、2015年)を更新しその傾向が続くとしているが、戦後その水準が低かったのは、女性にとって「結婚しない」という選択肢がなかった(28ページ)ということが書いてある。1986年の男女雇用機会均等法によって「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識がなくなった。 日本では、「結婚することが当たり前」「家庭を持ち、子供を育てこそ一人前」、いわゆる「結婚規範」が根強い(37ページ)。たかが結婚するかどうかで人間の価値は決まらないが、独身男性の中には結婚規範に振り回されている未婚者もいる。(44ページ) 若い人たちにとって結婚するって大変なのね。(他人事でゴメンなさい) 平田オリザさんの著書など 先日、平田オリザさんの講演を聞く機会があったのだが、講演前にどのような人なのかを知りたくなって、下山の時代を生きる (平凡社新書)を読んでみた。言語社会学者の鈴木孝夫との対談である。 文化の多様性が人間を守っているショックアブソーバー(62ページ)という鈴木の指摘は面白い。人類は世界中のありとあらゆる環境のところに住むのだけど、その環境に適応できているのは文化というショックアブソーバがあるからだという。戦略なき日本が生き延びたのはたまたま運が良かっただけだ(80ページ)。 上記の本を読む前に、下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)も読んでみた。 人口減少で社会の活力が削がれつつある時代にどのように生きるか。非常に示唆に富む議論が展開されていた。 サモワールという言葉を知った。電車に乗って旅をするときには知らない人に声をかけてみようと思った。それがなぜかは本書を読んでほしい。 文学入門はスゴ本だ 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で紹介した「伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著」の参考文献に載っていた文学入門 (岩波新書 青版)を読んだ。1950年に書かれた本だが、文学に対する真摯な姿がすごい。太平洋戦争が終わって食うものもない時代に、それだからこそ文学が必要だったのだろう。五十冊の読書リストが付いているので、そのリストを元に読書の幅を広げてみたいと思った。正直に言えば、その50冊のうちの一冊も読んだことがなかった。手始めに「罪と罰」から読んでみた。50冊を読破するには10年はかかりそうだ。文学入門の羅針盤として最高の一冊かもしれない。 濫読日記風 伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20170730/p1 定年後、読了、濫読日記風、その13...
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パラノイヤだけが生き残る、読了

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのかを読んだ。 インテルを80年代に急成長させた伝説の経営者アンドリュー・グローブの名著の復刊だ。 AmazonもFacebookもGoogleもなかった頃に書かれた本書を20代、30代の皆さんが、読みこなすのにはちょっとした基礎知識が必要だ。 世界最大の半導体メーカー・インテルは1980年代に経営危機を迎える。若い人にとっては信じられないことかもしれないが、当時、日本製64K DRAMのシェアは70%を超えていた。日本のメーカーは圧倒的な競争力を持っていた。インテルは「戦略転換点」を迎える。 半導体メモリの大手ユーザーは値段が安くて、不良率が低い、日本製半導体メモリーを大量に購入していた。 当時、インテルなどは、日本の競争力はダンピングなど不公正な方法によっていると考えていた。そのため、抜本的な対策を打てぬまま経営危機に陥る。大手半導体ユーザのHPは日本製半導体メモリの不良率が米国製のそれよりもはるかに低いということを公表し、その論争に終止符を打った。 第5章にインテルの「戦略転換点」について生々しい記述がある。114ページに半導体の国際市場シェアの変遷がある。一夜にして日本製品に凌駕されたのではなく、それは10年近くの年月がかかってシェアが逆転したにもかかわらず、インテルは抜本的な対策を打てぬままにいた。 そしてグローブら経営陣は決断をする。創業以来の基幹製品メモリからの撤退である。...
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大人の休日倶楽部パスで4日間行き当たりばったりの旅をした

気がつくと59歳、おめでとう、自分。ということでおじさん一人旅を気ままにしてみた。 JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」というのがめちゃくちゃお得だ。15000円で4日間、JR東日本管内乗り放題。まあ、それくらいだったら青春18きっぷもあるしそれほどお得感がないが、これは新幹線も乗れちゃう。指定席も6回まで乗れちゃう。青春18きっぷは新幹線どころか在来線特急も乗れないので行動範囲が限られていたが、大人のきっぷは新幹線という飛び道具を使えるので、1日でJR東日本全域をほぼカバーできる。超お得だ。 https://jre-ot9.jp/ticket/clubpass_e.html いくつか制約がある。大人の休日倶楽部会員になるには満50歳以上でないといけない。大人のきっぷは満50歳以上の大人専用きっぷだ。(若者は50歳までお預けだ)年3回、利用できる。有効期間は連続する4日間だ。 初日(9月9日)、伊豆方面日帰り 新宿から8:30スパービュー踊り子号、伊豆急下田 11:12 石廊崎までバスで行って、遊覧船に乗る。太平洋の波がザブンザブンと遊覧船にかかってきた。穏やかな海だったが、それでも黒潮のうねりは感じられた。バスが40分くらい、遊覧船が25分くらい。石廊崎港の食堂でいか焼き定食1200円を食った。ボリュームがあってうまかった。 伊豆急下田 15:20 IZU CRAILE (伊豆クレイル)、小田原 17:12 この伊豆クレイルというのが無駄に贅沢というかオシャレというか。出発時には駅員さんがお見送り(手を振ってくれる)、車内では軽演奏があったり、4人席(コンパートメント)が付いていたりする。4人で列車飲み会とか楽しそうだ。 小田原からは湘南新宿ラインでちんたらと帰宅。1日目は近郊を楽しんだ。...
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東京読書サミットに参加した

池袋ジュンク堂で開催された第2回東京読書サミットに参加した。白石さんが主宰する「読書するエンジニアの会」が主催者となって、「森の読書会」、「ええやん!朝活」と言う読書会が協賛という立て付けになっている。読書会は色々な形式がありうるので、それぞれの人がイメージするそれはかなり異なっている気がする。ざっと思いつくものでも、大きく分けて1)課題となる本を参加者で読むもの、2)特にテーマを決めないで参加者が本を紹介するものがある。前者の形式のものは、大学のゼミのように課題図書を精読し、議論するものから、カジュアルにある作家の作品の感想を述べ合うものまで幅広い。*1 後者の例としては最近では、ビブリオバトルのような本の紹介を競技形式にして、参加者からの人気投票で優勝者を決めるというものまである。 紹介系の読書会だと、自分が普段手に取らない書籍を知る機会になって、自分の読書の幅を広げてくれる可能性がある。 本を皆で読む形式の読書会だと、同じ本を読んで、こうまで解釈が違うのかということを発見したり、共感するポイントを共有して、ああ、自分は孤独ではなかったと思ったり、あるいは自分の読み方の弱点(?)を知ったりできる。ゼミの輪読だと、そもそも内容がよくわからなくて途方にくれるのをみんなで読み解くというような読み方もある。 知っていることを読むのと知らないことを読むのでは後者の方が知的な労力を使うので脳に対する負荷が高いような気がする(脳の負荷ってなんだかよくわからないけど)。読み方の訓練にもなる。 本を読むのは単なる楽しみで行っているので、別にどんな読み方だろうが構わないし、本を読まなくても生きていく上では困らない。困らないけど読む。本を読めと誰かに強制するつもりもないが、自分としては本を読む力(というものがあったとしたら)を少しでもつけて、本を読むのをもっと楽しみたい。 フィクションでもノンフィクションでも本を読むこと自体をもっと楽しみたいというのが、その根底にある。(くどいな) というわけで、読書会に参加するのは、1)本を読む力をもっとつけて、本を読むことをもっと楽しみたい、2)読む本の種類を広げたい、という動機がある。 本をどう読むか、何の本を読むか、ということである。 本好きが紹介する本の話を聞いているのは楽しいし、その楽しさを共有したい。なので、本の紹介を聞くとその本を読みたくなるし、自分と違う楽しみ方をした人の読書体験をなぞりながら、自分の楽しみ方を広げていきたい。...
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数学する身体、森田真生著、読了

「思考の道具として身体から生まれた数学。身体を離れ、高度な抽象化の果てにある可能性とは?」 (数学する身体) タイトルに惹かれて手に取った。何度か逡巡して購入し、しばらく積読だった。先日、数学の認知科学というスゴ本に出会い、数学とその身体性に強い興味を持ったのだが、「数学する身体」のことをすっかり忘れていた。 積読の山を眺めながら、数学する身体を再発見しパラパラめくってみて一気に引き込まれた。 そして、本書がスマートニュース社の勉強会をきっかけに作られていることを読後に知った。 スマートニュース社の藤村さんから小冊子「みちくさ01」をいただいたことを思い出した。本棚から探し出してすっかり忘れていた、それを再読してみた。 その勉強会というのはアラン・チューリングにまつわるものを著者に解説してもらうというものだったらしい。スマートニュース社CEOの鈴木さんが「会社が大きくなるにつれ、中略、コンピュータ、アルゴリズム、人工知能、言語、メディア、ジャーナリズム、公共性といった概念がどこから来たものなのか、その起源を全社員が知っておくことが必要だと考えるようになり、中略、そうだ。本棚を作ろう」と考え、「それだけでは身体化されない置物になってしまう。本は身体化されねばならぬ」(みちくさ01)ということで講演会をしたのが、本書のきっかけになった。 本書を読むことによって身体化された数学というものがどういうものか、そもそも身体化するということはどのような行為なのか、それをアランチューリングと岡潔という二人の数学者を軸に知ることができる。 数学に関する認識を豊かにしてくれる一冊になっている。本書には数式は一切出てこないので、数式に苦手意識を持っている人でも読みこなせる。数学とは何かを学ぶ良書だ。...
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