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[レポート]LTSI パートナーミーティング 2012/4/17

昨年の10月に The Linux Foundationのワークグループの一つである Consumer Electronics Workgroup (CE Workgroup)によって、Long Term Support Initiative LTSI)というプロジェクトが立ち上げられました。その動向や詳細情報はプロジェクトのWebサイト等を通していろいろな情報提供が行われていますが、日本語による情報提供はこれまであまり充実していませんでした。

この課題を解決するための日本語によるプロジェクト概要紹介の機会として、さる 2012417日にパシフィコ横浜にて情報家電、組み込み機器開発を行っている企業を対象とした CEWGのメンバー主催の LTSI ワークショップが開催されました。ワークショップには 20 40名もの参加者に集まって頂くことができ、用意した会場が定員オーバとなり椅子を急遽追加するほど盛況でした。ここには遠く中部、関西、それに北陸などから参加された企業もあり改めてLTSIに対する日本企業の関心の高さが伺えました。

ワークショップでは LTSIプロジェクトのリーダーである、NECの柴田次一氏とルネサスソリューションズの宗像尚郎氏によるプレゼンテーション及び会議参加者のディスカッションにより以下の内容について情報共有が進んだと考えています。


NEC 柴田次一氏

ルネサスソリューションズ 宗像尚郎氏

      

■ LTSIとは?

■ LTSI開発プロセス

企業へのベネフィットは?

どのように参加するか

どのように製品開発に使えるのか

 

プレゼンテーション資料は以下のリンクにある記事をご覧下さい。

                               

(ご参考:『インダストリーとコミュニティの橋渡しを目指すLTSIに注目』

今回の記事ではプレゼンテーション資料の内容を具体的に紹介する代わりに、今回のワークショップ会場で出た質問、意見等を中心にご紹介しようと思います。LTSIに興味はあるけどもまだ内容がまだあまり理解出来ていない方の疑問を少しでも解決出来ればと考えています。当日は本当に沢山の質問や意見がありましたので、ここでは特に関心が高いと思われた3つの質問をご紹介しようと思います。

 

質問1:

LTSIのメンテナンス期間は2年だが、自動車や制御系などの業界では短くないか?

 

回答1:

これに質問に関しては、会場に同席していたソニーや東芝など情報家電で既に長くLinuxを活用している企業からも含め、様々な観点から回答があった。幾つか整理すると、概ね各社以下のように考えているようである。

まずしっかりメンテナンスされることが約束されている事が最も大きな価値である。

■ LTSI カーネルをベースとして、エンタープライズ領域における Red Hat SUSE が提供しているような長期間にわたって安定したサポートが提供可能な組み込み機器向けの「エコシステム」の形成が期待される。

オープンソースのプロジェクトなのでユーザー毎に異なる要件に応じて、その課題を解決するための新しい取組みを起せばよい。今回はデジタルコンスーマー機器向けに 2年間というメンテナンス期間を設定しているが、これもニーズに応じる体制を用意することができれば、フレキシブルに拡張していけるものだと考えている。

例えばデジタルテレビの製品ライフタイムは明らかに2年より長く、10年とかいう期間にわたって安定したリナックス環境を提供してきた実績がある。 LTSI も当然同じように長期メンテナンスのベースに使うことができると考えている。

■ LTSIは単純にKernelを長期にメンテナンスするだけのプロジェクトでは無く、企業とコミュニティとの橋渡しをするプロジェクトという側面をもつ。このプロジェクトを通してコミュニティとの関係を構築し、LTSIとしてのメンテナンスが終了した後でも自社でメンテナンスしていくためにきっと役立つ。

 

質問2:

LTSIKernel 3.0を使っているが、もっと古い Kernelをベースに開発/メンテナンスをしている製品はどうすれば良いか?

回答2:

LTSIは未来の製品の課題は解決できるが、過去の製品解決にはならない。ただ、LTSIを通しコミュニティとの関係構築をはかることができれば、古い Kernel を利用している過去の製品のメンテナンスにも間違いなくプラスの効果が出ると期待できる。

 

質問3:

パッチはあるのだけれども、本当に産業界全般に役立つパッチか分からない。またパッチをどのように検証したらよいか良いか分からない。

回答3:

基本的には自社で持っている重要と考えているパッチについては積極的に投げて行くべき。世界中の Linux Kernel 開発者は「自分はこの機能が欲しいからLinux Kernelに入れたい」という目的意識で動いているのだから。本質的なパッチであればコミュニティのメーリングリストで的確なレビューを受けることが出来るだろう。ただし実際にパッチを投稿しても一発で入ることは無い。世界中のいろいろな開発者のレビューや修正が入り、テイク1、テイク2、テイク3とシェイプアップしていくうちに、汎用性の高いパッチになりLinux Kernel に取り込まれていく。従って「このパッチは皆に役立つのだろうか?」と言う事は最初からあまり考えなくてよいと思う。

またパッチ投稿に関して疑問相談がある場合には、LTSIプロジェクトメンバーに相談して欲しい。日本の開発者は英文メールによるコミュニケーションが重荷になって海外の企業よりもパッチ投稿に多くの時間と労力を要する場合もあるだろう。結果としてパッチ投稿に消極的になってしまったというケースも多い。だからこそ日本の開発者同士で情報交換し、協力し合い、重複した開発を無くし、出来るだけ効率よくコードをアップストリームにマージ出来るようにするべきである。

以上今回特に活発に意見交換されたトピックを3つ選び紹介しましたが、恐らくこの3つの質問は LTSIに関心がある多くの方にも共通の質問事項だったのでは無いでしょうか?

次回、LTSIメンバーは66日~8日にかけて開催されるLinuxCon Japan 2012で再び集結します。この時点では、すでにLTSI 3.0 のマージウィンドウがクローズした直後であり、LTSI 3.0 にどのようなパッチが入るかを紹介できると思います。LTSIを活用して製品開発の効率化をはかる事に関心がある企業の皆様は、是非 LinuxCon Japan 2012のプログラムをチェックして頂きたいと思います。

また、CE Workgroupで定期的に開催しているJapan Technical JamboreeでもLTSIプロジェクトの最新の状況報告をします。日程等は、下記をご覧ください。

このイベントはどなたでも無料で参加出来ます。

http://elinux.org/Events


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