今回は、カーネル開発者の仕事場訪問企画の第3弾で、以前に行った 30週で30人のLinux カーネル開発者をインタビューした人気企画の後続企画です。これまでにカーネル開発者の Steve Rostedt とGreg Kroah-Hartman を取り上げています。
Shuah Khan は、Samsung オープンソース グループの Linux カーネル シニア デベロッパーです。彼女は、Android メインライン化プロジェクト、LED クラス ドライバー、IOMMU、DMA ほか多くのさまざまなカーネルサブシステムに貢献してきました。現在の彼女の主要分野は、パワーマネジメントと Pcle (PCI Express) デバイスの ASPM (Active State Power Management) です。また、Stable Linux カーネル ツリーのリリース メンテナンステストやバグフィックスも助けています。今回のインタビューの中で、自身の仕事場のようすやカーネル開発に使うハードウェアを紹介してくれました。
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自分の仕事場でどこが一番気に入っていますか?
私はコロラドの自宅からリモートで仕事をしています。私の仕事場は広々としていて、3 台のノートパソコンを置いてもまだゆとりがあるくらい十分な広さがあります。大きな窓がたくさんあり、今まで使った中で一番日当たりの良い仕事場です。加えてロッキー山脈がよく見えます。もう 1 つの利点は、私がパソコンに話しかけていても私のことをおかしな目で見る人がいないということです。
開発システムやテストシステム、内容の充実した開発の仕事がなければ、仕事場はあまり役に立ちません。私はカーネルの開発や Stable Linux カーネルのリリーステストをする際にはいくつかのシステムを使います。Samsung Series 9 の 9900X4C (Intel Corei5) は私の主力開発システムです。16GB RAM と 250GB SSD ドライブが搭載され、Ubuntu 12.10 を使用していますが、とても速いです。Stable Linux カーネル リリースをテストする際にはいつも Linuxカーネルのコンパイルを 3~4 つ並行して実行しますが、コンパイルもブートテストもとても早く済みます。
もう 1 つのテスト/開発システムは、HP Probook 6475b (AMD A-10-4600M APU と Radeon(tm) HD Graphics) です。このシステムは AMD 特有の問題がないかをテストし、デバッグするのに使っています。3 つ目のテスト/開発システムは HP Compaq dc7700 SFF デスクトップ (IntelCore-i2) で、Stable Linux カーネルのさまざまなアーキテクチャのクロスコンパイル テストに使っています。X86_64 システムでクロス コンパイルテストをすることで、他のアーキテクチャのリリースをサニティーチェックし、Stable Linux カーネル ツリーがリリースされる前にビルドの問題を見つけることができます。
一番気に入らないところはどこですか?
ダイニングテーブルを机として使っているので、電源コードをきれいにしまいこむことができず、電源コードが時には乱雑になってしまいます。
今まで使用した中で一番奇妙な仕事場はどのようなところですか?
私は時々外で仕事をします。私が今まで使ってきた中でおかしな仕事場はピクニックテーブルです。今も部屋の中にいるには天気が良すぎるときに使っています。私の裏庭は wifi 環境が非常によく整っています。
こちらの仕事場に特有の注目すべきものは何かありますか?
大好きな仕事ができるという以外に、Samsung の仕事をしていることで、カーネル開発用に最新の Samsung 製ノートパソコンを入手できるという特典があります。Samsung Series 9 の 900X4C は特筆に値します。今回私は初めて Samsung のノートパソコンと SSD 搭載システムを使いました。このノートパソコンを使うまでは SSD 搭載のシステムを少し疑問視していました。ところが、SSDと 16GB RAM の組み合わせでシステムの動きが速くなり、開発が楽にできます。8 時間のバッテリーを内蔵しているノートパソコンにしては軽量でデザインもスマートです。