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SUSE のオープン ソース マーケティング部門で見た 4 つの真実

原文は 2016 年 3 月 11 日に掲載されました。

Uptime-1AM

以前の記事で私はオープン ソース企業の立場から コミュニティ主導のプロジェクトに取り組むこと (和訳はこちら) について書きました。今回はギアを切り替え、同様企業のマーケティング部門で仕事をすることについて話をしたいと思います (来月はエンジニアリング部門の予定です)。

幸運なことに、私は SUSE のマーケティング部門で働いています。だからといって今回の主題について私が世界でも一番の専門家ということにはならないかもしれませんが、私には意見があります。以下はここ 2 年間の私の経験に基づく個人的な考えです。

オープンソース (およびフリー) ソフトウェアに焦点を当てて専念している企業のマーケティング部門にいるのは、非常に興味深いものです。なぜなら通常、オープン ソース プロジェクトは、マーケティングや情報伝達が得意であることとは無縁です。焦点となるのは開発されているソフトウェアであり、ソフトウェアの質そのものをして語らしめるという考え方です。だからと言ってすばらしい情報伝達とマーケティングの必要性を否定しているわけではありません。(どんなにすばらしいソフトウェアでも、誰もその存在を知らなければ多くのユーザーを得ることができません。)

オープン ソース マーケティングの仕事がどのようなものかを伝える最も良い方法は、個人の逸話を話すことです。具体的には、私がそもそもどのようにして SUSE で働くようになったかということです。

2013 年 11 月に、私はイベントの記事執筆のために SUSE から SUSECon に招待されました。基調講演やセッションなど、カンファレンスが正式に始まる前に、SUSE は報道メディア用に時間を設け、アナウンスメントの概要やエグゼクティブの人たちの取材予定時間などについて説明しました。このようなカンファレンスでは標準的なことです。

しかし、すべてにおいて何かユニークなものがありました。

一日の流れの中で、次から次へと SUSE の複数のエグゼクティブと話しましたが、私はどちらかというと厳しい態度でのぞみました。難しい質問をし、彼らを質問攻めにしながら、あることに気づきました。彼らは私の質問にひとつ残らず答えてくれたのです。ためらったり、逃げるようなことを言ったりということは一切ありませんでした。これはテクノロジー ジャーナリストにとってまるで架空の動物、ユニコーンを発見したようなものでした。

そこで、私はマーケティングのバイス プレジデントにこのことについて聞いたみましたが、彼の言った言葉が頭から離れませんでした。彼は次のように言いました (簡潔にするためにわかりやすい言葉に換えます)。「当然です。私たちはオープン ソースなのです。オープン ソースは私たちが何者であるのかを規定します。私たちの DNA に刻まれているのです。私たちのビジネスのやり方や行動、すべてに影響しています。コードの書き方だけではありません。私たち自身がオープンなのです。」

その後、私は単純な質問をしました。「なぜこのことを人々に言わないのですか?  私に言ったことをなぜ全世界の人たちに言わないのですか? 驚きました。あなたたちは、マーケティングをやらなければなりません。」ここでも、言葉は言い換えていますが、最後の文は実際に言ったとおりだと思います。

数週間後、彼らは私に電話をかけてきて、一緒に働かないかと持ちかけてきました。私は、たとえ一緒に仕事をするとしても、自分が書きたいと思う定期刊行物の記事も書けなければ困ると言いました。彼らは同意してくれました。私は決して SUSE の検閲は受けないと言いました。彼らは同意しました。「本当に?」と私が聞くと、彼らは「はい」と言いました。2 年以上経った今、私はまだ SUSE のマーケティングの仕事をしており、これまで一度も彼らが検閲をしようとしたことはありません。

さて、この逸話はオープン ソース企業のマーケティングについてどのようなことを伝えているでしょうか? この経験 (これ以外の多くの経験) が私にいくつかのことを教えてくれました。以下は私のこれまでの経験に基づいた、「(私) Lunduke が見たオープン ソース マーケティングに関する 4 つの真実」です。
 

1.秘密はない (少なくとも、多くはない)

ソフトウェアを作っている人たちがフリー ソフトウェアの体現者である場合、ソフトウェアの存在を完全な秘密にしておくのは難しいことです。ライセンスは GPL であり、コードは GitHub に公開されています。

これは少し愚かなことのように見えますが、私たちはフリーでオープンな世界にいることを覚えていて損はありません。一般大衆が驚くような新しい発表があっても良いかもしれません。しかし、たとえばある企業が Linux ディストリビューションを作ったとします。そしてその会社で働いている人たちが、新しい機能をサポートするために Linux カーネルに複数のパッチを提出しているとします。Linux ディストリビューションの次のバージョンでは、その新機能が何らかの形で追加される可能性が大いにあります。

これは決して悪いことではありません。それどころか、むしろすばらしいことです。しかしこれにより、誰かがステージで「One More Thing (そして実はもうひとつ)*」というサプライズを発表するのは難しくなります。   * ”One More Thing” はスティーブ・ジョブズが新製品を発表する時の決まり文句。
 

2.とにかくコミュニティ。常にコミュニティを考慮する。

すべての市場において、どの企業にも (特に大きな企業は) 考慮すべきコミュニティがあります。しかし、オープン ソース コミュニティは少し違います。

例を挙げます: Microsoft が Windows 10 について新しいコマーシャルを作るとしたら、彼らは Bill Gates がそれを見た時にどう思うかということは考えません。

オープン ソース マーケティングでは、もしも Linus Torvalds や Richard Stallman を怒らせる広告を作ったとしたら? それは大問題です。そして考慮に入れるべきは少数の人たちだけではありません。もっと幅広い、ひとつではなく複数のオープン ソース コミュニティです。

幸運なことに、私たちはそのコミュニティの一員です。したがって、私たちが一員となっているコミュニティのことを考えるのは、個人としても企業・組織としても難しいことではありません。しかし、たとえばプロプライエタリ ソフトウェア企業のマーケティング部門にいるのとはまったく異なります。
 

3.Coopetition はすばらしい。

Cooperation (協力) + Competition (競争) = Coopetition

これはものごとを面白くするかもしれません。とても単純な例を挙げます: SUSE は Linux カーネルを利用しています。Red Hat も Linux カーネルを利用しています。どちらの企業もカーネルの恩恵を受けているだけでなく、どちらもカーネルに貢献しています。時にはまったく同じ機能について協業することさえあります。

これは、最初の 2 つの「真実」同様まったく悪いことではありません。少しも悪くないのです。むしろ、すばらしいことです。しかし、プロプライエタリ企業でマーケティングの仕事をするのとは違ってきます。Microsoft とApple が同じカーネルで一緒に仕事をしたり、コードの大部分をシェアすることが想像できますか?
 

4.少し間抜けでいること。

私のオープン ソース マーケティングの 4 つ目の真実は単純です。間抜けの法則です。

ソフトウェアは重要です。ミッション クリティカルなソフトウェアはさらに重要です。それは優秀なソフトウェア開発者が真剣に取り組んだ成果です。彼らは、エンジニアリングの驚異と美しい芸術品の境界線をまたがるようなものを作り上げています。しかし、このようなエンジニアリングの驚異をマーケティングするとしたら? 間抜けさが少し必要です。

好例: たとえば、システム全体のリブートを必要としないで Linux カーネルに (セキュリティの脆弱性を修正するなどの) パッチを当てられる機能の存在を人々に告知したいとします。このことを発信する最適な方法は何でしょうか? 言うまでもなく、ミュージックビデオです。

次回: 私はおとなしくして (簡単ではありませんが)、SUSE 内のエンジニアに、オープンソースに焦点をあてた企業で働くことについて語ってもらいます。

 
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