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Home 特集 コラム 飯尾 淳の「デスクトップ?何それ、おいしいの?」 【デスクトップ?何それ、おいしいの?】(1) -日本OSS推進フォーラムの活動

飯尾 淳の「デスクトップ?何それ、おいしいの?」」

【デスクトップ?何それ、おいしいの?】(1) -日本OSS推進フォーラムの活動

 

Linuxの普及が進む中、デスクトップの分野では何が起きているのか、気になりませんか?このコラムでは、数回に分けて、Linuxデスクトップの普及に関して進めてきた活動を振り返り、その実力に反してなかなか普及しない理由や、今後、普及する可能性のある領域について考えます。またLinuxデスクトップの優れているところ、もっと注目してもよい可能性について、スポットライトを当てていきます。

第一回目:日本OSS推進フォーラムの活動

私がLinuxデスクトップの普及に向けた活動に参加するようになったのは、いまからおよそ8年前、2004年の頃にさかのぼります。当時、日本のソフトウェア市場を活性化させるべく、経済産業省がOSSの普及振興に力を入れ始め、各種の施策を打ち出した時代でした。私がLinuxデスクトップの普及で深く関与することになった日本OSS推進フォーラムも、同年に発足し、多様な試みが活発に行われはじめた時期にあたります。

日本OSS推進フォーラムとは、OSSを活用したシステム、機器を提供するベンダ企業や、あるいはそれを利用するユーザ企業といった企業が集まって組織した非営利組織です。本フォーラムはOSSの普及促進に向けてこれまで様々な活動を行ってきました。OSSによるシステムや機器の提供、利用に係わる企業群というと、企業システムやサーバに目を奪われがちですが、意外にも、発足当時からデスクトップの普及も視野に入れた活動が進められてきています(もっとも、様々な事情から、どうしてもサーバに関連した活動が優先されてきた面もあり、デスクトップ関係者は忸怩たる思いも噛み締めてきたという経緯もありますが…)。

日本OSS推進フォーラムに、当初設置されたデスクトップWG(Working Group)では、どのようにしたらOSSのデスクトップが普及するだろうかとの議論が重ねられました。議論の結果、導入のしやすさは「学校、自治体、官公庁、民間企業」の順番だろうと結論付けられました。独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)で実施した、学校教育現場にOSSデスクトップ環境を導入する実証実験や、自治体の事務室でLinuxのデスクトップを導入する実証実験は、同WGの検討結果や提言を受けて実施されたプロジェクトです。

そのような経緯を経て、2006年の4月から同フォーラムのデスクトップ部会に設置された課題抽出タスクフォースを2年間、さらに2008年の4月からはプラットフォーム部会に改組されたなかで新たに設置されたデスクトップ普及戦略検討タスクフォースの主査を2年間、都合4年間にわたり、Linuxのデスクトップを普及させるにはどうすべきかに関する活動を推進してきました。

最初の2年間は、タスクフォースの名が示すとおり、普及を阻害する要因や課題を明らかにし、それを取り除くことで普及を進めようという方針で作業を行いました。その結果、技術的な課題だけでなく運用上の課題や制度上の課題といった様々な課題が掘り起こされました。続く2年間ではその結果に基づいて、実際にLinuxデスクトップを普及させるためにすべきことは何か、どのようなアプローチで普及を支援すればよいかについて議論を行ってきました。

なお、これらの活動は、基本的に手弁当で行われています。フォーラムの名簿には大手企業が名を連ねているので、さぞや潤沢な予算で活動しているのでしょう、という誤解を受けることも多いのですが、若干の会費は全て事務局運営費にあてられ、フォーラム会員が末端で活動するための予算は用意されていません。実際には、OSSのデスクトップ利用を普及させたいとの志を強くする有志が、忙しい本業の合間を割いて議論に参加してきました。

ところで、私自身は昨年度で主査を退きましたが、その後の活動は現在、同フォーラムのクライアント部会として、引き続き進められています。月1回の頻度で議論を行い、ときには勉強会として講師を呼び、最新情報の検討や外部との意見交換も行っています。毎回、首都圏の会場で集まっていますが、年に1回、12月の会だけは、大阪で開催することが定例となっており、関西圏の開発者、関係者との交流も深めています。OSS推進フォーラムのなかでも、「来る者拒まず」の姿勢をとる我々はかなりオープンな集まりなので、興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか(参加の方法は、日本OSS推進フォーラムにお問合せください)。

 今回は、日本OSS推進フォーラムに設置されたLinuxデスクトップに関連する部会について紹介しました。次回はこの部会の研究成果について紹介しましょう。

著者プロフィール

飯尾 淳(いいお じゅん)
飯尾 淳(いいお じゅん)

株式会社三菱総合研究所 主席研究員。2009年から東京農工大学の客員准教授を兼務。
専門は、画像処理、ユーザインタフェース、行動情報分析、等をテーマとした研究開発だが、開発プラットフォームとして初期のころからLinuxを利用するようになり、現在に至る。開発者かつユーザの立場で、Linuxデスクトップの普及推進に取り組んでいる。『Linuxによる画像処理プログラミング』(オーム社)、『C言語によるスーパーLinuxプログラミング』(ソフトバンク クリエイティブ)等、関連著書多数。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。博士(工学)、技術士(情報工学部門)。

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