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Home 特集 コラム 中尾 貴光の「中国OSS事情」 中国政府がOSSを推進する3つの理由

中尾貴光の「中国OSS事情」

中国政府がOSSを推進する3つの理由

 

皆さん、こんにちはAnhui OSSの中尾です。

前回は、中国OSSの概要と現状を大雑把に紹介しましたが、今回からは前回の最後に触れた”なぜOSSを推進するのか?”の細部を「自主的知的財産権」、「違法コピー(海賊版)ライセンス対策」、「中小企業の情報化とコスト低減」にわけてご紹介していきたいと思います。

まず「自主的知的財産権」についてですが、日本語としてはこの言い回しはあまり馴染まないですよね。”知的財産権”というだけで、自身が所有している権利を表していると思います。しかし中国のWebサイトでは必ずと言って良いほど”自主的”というのが文頭に付いているのですが、これは、「自身で完全にコントロールできる(外部の干渉を一切受けない)」という意味を強調してのことと推測しています。

さて、その「自主的知的財産権」に関しては基盤系のものが非常に重要視されていて、ハードウェアで言えばCPUの「龍芯(ゴッドソン)」、ソフトウェアではOSやオフィスソフトウェア、データベース(RDBMS)が特に最重要視されています。

ソフトウェアにおけるOS、オフィスソフトウェア、データベースに関しては主役となるのはやはりOSSです。それらにOSSを利用するのはいくつかのメリットがあるのですが、主だったものとして、まず1つめは「0から作る必要がない」です。基本部分ができていて、必要な部分だけカスタマイズを行うことができるのはコストと時間の節約になります。Androidが中国移動(モバイル・チャイナ)に採用され、OPhoneという独自ブランドのモバイルOSとして展開されているのが非常に良い例です。

2つ目としては”合法的に無償利用が可能”ということです。中国の商用ソフトウェアの違法コピー(海賊ソフトウェア)の状況は次回以降で詳細に触れますが、GDPが世界で第2位になるなど、世界からの注目が日増しに大きくなっていく中国政府にとって、由々しき問題になっています。
ただ、いくらOSSといえど無条件で自由に無償で利用や改変をしてよいわけではなく、それぞれに"GPL"や"LGPL"、"Apache"など遵守すべきライセンスがあります。ここらの理解が今一歩浸透せず、大手企業でもライセンス違反を訴えられているケースが最近は目立ってきています。この辺は、今後どこかで紹介する機会を設けたいと思っています。

3つ目としてはコストの削減です。これは主に利用者側の観点で、特に中小企業などに当てはまります。中小企業の情報化推進というのは地方政府なども非常に力を入れており、重点施策や奨励施策などを積極的に行っている自治体を多く見受けます。OSSでシステム構築した場合は施策も優遇される、などというケースも今後増えてくるかもしれません。


さて、そうやってOSSが基盤系ソフトウェアで非常に重視されているのですが、それらを用いた具体的なプロジェクトも目立ったきました。キーワードは「クラウドコンピューティング」、「三网融合」、「物聯網」なのですが、その詳細説明は次回以降で(^^;

それでは、また次回!

著者プロフィール

中尾 貴光 (なかお たかみつ)
中尾 貴光 (なかお たかみつ)

Linux/OSS業界に浸かり始めて早10年。現在は中国安徽省馬鞍山市にLinux、Android(Ophone)を中心としたOSSの教育、コンサル、開発などを行う会社を設立し、家族ともに同地滞在中。 現在は上海Androidの会 会長、OESF International Operation China、 安徽省馬鞍山市花山区高級招商顧問なども務める。

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