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Home 特集 コラム シェーン・コークランの「法務、ビジネス、そしてコミュニティの交差するところ」 【法務、ビジネス、そしてコミュニティの交差するところ】(1) -世界中がライセンスコンプライアンスに合意

シェーン・コークランの「法務、ビジネス、そしてコミュニティの交差するところ」

【法務、ビジネス、そしてコミュニティの交差するところ】(1) -世界中がライセンスコンプライアンスに合意

今後、数ヶ月にわたり、オープンソースに関する法務、ビジネス、および、開発の課題のいわば交差点について説明してみたいと思います。カバーされるトピックスは、世界的に見て500億 USドル(約4兆円)に相当する価値があるとされるソフトウェアの開発、配布、および、維持に関わる課題です。本稿は、シリーズの第一回目ですが、まず、オープンソースが本流になる上で避けて通れない課題、ライセンスとコンプライアンスについて説明することから始めたいと思います。

オープンソースの黎明期において、ライセンスコンプライアンスは、企業や開発者からまるで黒魔術のように見られていました。企業は、オープンソースが企業の製品に与える意味合いに苛立ちを感じ、かつ、ライセンスに記述された内容があやふやさと恐怖を引き起こしがちでした。BSD (Berkeley Software Distribution)ライセンスからGPLに至るまで、混乱と誤解が広まっていました。例えば、オープンソースライセンスと商用ラインセンスの文言の違いを比べると、著作権法を真逆にしたかのように解釈されることもありました。

オープンソースライセンスの文脈解釈の難しさは、2004年に起こされたGPL関連の最初の係争(GPL- violations.org対Sitecom)以来の法務的な緊張の高まりが絡んでいました。欧州で多くの企業が法廷に立つようになると、それだけ法務関係者は神経質になり、企業の幹部社員や法務部門は、コンプライアンスの履行に確信が持てなくなりました。彼らのあやふやな要件理解や、ライセンス遵守に対するサプライヤーの消極性や履行能力の低さもその要因になっていました。

もちろん、事情は当初の見掛けほど複雑なものではありませんでしたし、そう認識することにより、誤りや危険は少なくなりました。一番重要なステップは、あらゆるライセンスというものは単に他者の取引の許諾条件を記述したものに過ぎないし、それは商用ライセンスにもオープンソースライセンスにも当てはまるということを理解することでした。唯一の重要な違いは、著作権法が適用される文言にありました。著作権自体は、以前と全く変わっていませんが、いかに著作権が共有を可能にするかということに関しては、より徹底的に説明されていました。

今日、欧州では依然としてライセンスコンプライアンスに関連した係争が発生していますし、米国でもより広範な訴訟がありましたが、理解と共有知識は目覚しく増加しています。オープンソースは急成長のフェーズから、技術企業の支柱へと変わり、共同開発を可能とする重要なルールは法廷でも確認されており、何千にも上る利害関係者から信頼されています。黒魔術とは大違いで、GPLのようなライセンスは、日常的な技術の一部であり、利用者の経験は容易に別の新製品にも生かされます。

このようなことに貢献している組織としては、The Linux Foundation、Free Software Foundation Europe、Software Freedom Law Center、Korean Open Source Law Center、Taiwanese Open Source Software Foundryなどがあります。これらの組織はそれぞれ独自の活動方針を持っていますが、オープンソースコードの公正な利用ということに関しては信念を共有しており、協力することにより理解の共有が進んでいます。つまるところは、次のように非常に簡潔な原理になります。全ての人は、配布するコードに責任を持つこと、全ての人は、そのコードに適用されるライセンス事項を遵守すること、そして、すべての人は、過ちや手抜かりを正すために誠実に行動すること。

今後、オープンソースの法的課題に関する知識と経験の共有に向け、各国の、地域ごとの、あるいは、世界的な公開議論の場が増え、オープンソース利用に関連したリスクを感じることも減っていくことが期待されます。そして、ビジネス観点では、世界的合意としてオープンソースは次世代技術として非常に大きな意味があり、また、法務観点では、多少の不測の事態があるにしても、オープンソースに関連した法務は通常のビジネスと変わるところがないことが理解されています。

著者プロフィール

Shane Coughlan(シェーン・コークラン)
シェーン・コークラン

Shane Coughlanは、コミュニケーションとビジネス開発の専門家です。彼は、技術分野に関連した商業組織と非商業組織の間の橋渡しにおいてよく知られています。彼の業績としては、欧州でフリーソフト関係の主要NGOの法務部門を立ち上げたこと、4つの大陸にまたがって270人以上の法務関係者と技術専門家のネットワークを構築したこと、また、フリー/オープンソースソフトウェアに特化した最初の法的レビューの仕組みを作り、企業とコミュニティの間の利害調整を行ったことなどがあります。Shaneは、インターネット技術、組織管理、コミュニティ形成、フリー/オープンソースソフトウェアに関連して深い知識を持っています。彼はこれまでに、サーバー、デスクトップ、エンベデッド、あるいは、モバイル通信に関連した企業と協業した経験を持っています。彼のプロフィルは次のサイトに掲載されています
http://jp.linkedin.com/in/shanecoughlan

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