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カーネルハッカーズ座談会 - Kernel3.0 & Linux20周年特集 -

1991年8月25日に産声を上げたLinuxは、 昨年で 20周年を迎えました。そして、カーネルのメジャーバージョンも3.0に更新。この2つの大きな節目を迎えたLinuxについて、日本を代表するコミュニティ開発者、Kernel Hackerの皆さんの集まって頂き、お話を伺いました。
終始笑いにつつまれた座談会の様子を、4回シリーズでお届けしています。

(編集部注:このインタビューは昨年(2011年)の夏に開催されたものです。時勢等はその当時のものであることをご了承下さい)


連載第1回】  連載第2回】  連載第3回】  連載第4回


杉田:  では、自己紹介が済んだところで、まずは最初の話題に入りましょう。最近、カーネルのメジャーバージョン番号が3.0になったのですが、2.6の頃に比べて何か機能は大きく変わった印象はあります?


亀澤:  (周りを見渡して)何か変わった?


平松:  ナンバリングが変わっただけでは?


亀澤:  3.0になったのは、2.6の枝版がこのまま行くとある数字になるので避けたかったのでは?


杉田:  ある数字って何ですか?


平松:  42とか(参考URL※)。
http://en.wikipedia.org/wiki/42_(number)#In_technology
ウィキペディア:「人生、宇宙、すべての答え」


(一同爆笑)


フェルナンド:  確かに。でも、機能的には大きな変化はなかったと思います。変わったことといえば、今まで使っていたスクリプトの一部が使えなくなった。


山幡: 他にもブートもしなくなる現象が出ている。でも、バージョン名を変えると、なぜかブートするという謎の現象があります。


亀澤:  えー、落ちる可能性はないの?


山幡:  うーん、確かに動作障害が出るツールもあるかも・・・。


平松:  fedora 15 とか Ubuntu11.04だと大丈夫でしょうか。試していないのですが、何か問題があるかな。


フェルナンド: どうだろう? でも、バージョン番号が短くなって言いやすくなったのはうれしい。


亀澤: 確かに覚えやすくなったよね。


杉田:  バージョン名が変わって、みなさんの会社では特に問題とか変わったこととかはなかったですか?


フェルナンド:  問題はないけど、ただ、誤解を招くことがあるような気がします。お客さんから、いきなり3.0になったんだけど、大丈夫ですか? 安定していますか? とか聞かれる。出たばかりだから暫く使わないほうがいいよね? と言われたりして。


一同:  ある、ある、ある。


平松:  最新カーネルは3.0なのに、サーバーの方は2.6を使っているのは古くない? とか。


亀澤:  逆に、これから出るRHEL7 (Red Hat社のRed Hat Enterprise Linux 7)などは、Kernel 3.x系になるから、「新時代のLinuxサーバー」ってキャッチフレーズが付くかもね。単にカーネルのメジャーバーションを改定しただけであっても。


野村:  お客さんの中には2.4系カーネル、2.6系カーネルといった区切り方をされている方もいらっしゃって、これまでは、例えば 2.6.9 と 2.6.18 は随分中身が違うといった説明が必要だったのですが、3.0 となるとこれまでとは明らかに何か大きく変わったような感じがして良いですよね。 何が変わっているかは別として。


亀澤:  でも、同じカーネル2.6系でも、中身はいっぱい変わってきていたよね。カーネル3.0になった時とは比べ物にならないくらい大きく変わった時もあったし。


杉田:  2桁のバージョン番号だと更新が早くなった印象が出てくるのでは? 中身がすぐ変わってしまうようなイメージをお客さんが持つことはないのでしょうか? 


亀澤:  それはないと思いますね。


フェルナンド: 逆に、今まで(2.6系など)は、色々内容が変わっていたのに、2.6というバージョンでくくられてしまっていたことの方が良くなかったと思う。2.6.18と2.6.30では中身が全然違うのに、その違いが全然示せない。3.0にしたことで、大きな区切りを覚えてもらえる気がします。


平松:  それでいうと、長期間サポートの安定カーネルは2年で出るらしいから、その区切りでメジャーバージョンをあげていかないといけないかも。この区切りで大きく変わる可能性も高いし。 ナンバリングをどういう風にしていくかって話は去年話題になりましたね。Ubuntuみたいに日付(何年何月何日)を使うと、メジャーバーションをいつ上げるかを悩まなくて済むから良い気がする。


杉田:  皆さんは、バージョンを意識した開発やメンテナ活動をしていますか?


亀澤:  メンテナやコア開発者の立場では、バージョン番号はたいして意識しないですね。


平松:  企業開発者の立場では、「バージョン×××のリリースに間に合わせないと、サーバー向けの次のディストリビューション入らない」という意識があり、期間もひとつの目標になります。でも、メンテナの立場だとメンタリティーが違っている。自分の担当分野の質や機能への責任もあるし、ちゃんと見なければいけない。その仕事は、リリースする/しないに関係なく、昼夜やっている感じです。


亀澤:  リリース時期を目標に機能の完成度を上げている人もいるので、人それぞれですね。


杉田:  なるほど。つまり、開発側としては、カーネル3.0はこんな機能がある、というような、使う側にわかるような特徴づけは意識していない、ということですね。


平松:  コミュニティ開発は機能ベースにバージョン番号がついているわけではないので、バージョンごとに新機能などの特徴を付けるのは難しいと思いますよ。3.0のどの分野が強化されたかを簡単に知りたいということであれば、例えば2.6.39と比べてどう変わったのかは、LinusのChangelogを読めばわかります。調べましょう!


(一同笑い)


杉田:  なるほど。Jon Corbetも「Linux Weather Forcast」で変更点を紹介していますから、それを見ればわかるってことですね。ただ、その資料がここにあるのですが、機能の分類が細かくて・・・


平松: 3.0の変更は細かいと思いますよ。リリース時期が来て新バージョン番号を付けたというだけなので、鳴り物入りの機能を意識して入れていないから、どうしてもそうなるんです。


野村:  ここ暫くは、時間ドリブンでどんどんリリースしているので、機能が新しくなったからということで出しているわけではないですね。それに関連した裏話として、Greg K.H.のブログに書いてあったのですが、カーネルサミットの場でメンテナ同士や色々なディストリビューション関係者と話をして、2.6.32を皆が使えるカーネルバージョンにしようと話がまとまったそうです。そのため、色々なディストリビューションが2.6.32をベースにしているみたいですよ。こうやって協力して安定版を作るのは、使う側からするとうれしいのではないでしょうか。


西島:  それは言われたことがありますね。


杉田:  同じカーネルのバージョンを使っていると、ディストリビューターにとってはあまり特徴が出せなくて大変かもしれないけど、使う側からすると、どれを選択しても同じレベルで機能を使える安心感があるのでしょうね。


平松:  うーん、同じレベルっていうのはちょっと違いますね。でも、追加はあってもそこから削ることはほとんどない。その意味では、Upstreamのそのバージョンに入っている機能は、どのディストリビューションでも必ず使える。各ディストリビューターでテストもされているわけだから、その意味ではより安定したバージョンになります。


 



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